一般的に、企業で定年まで働いたり、転職してスキルをあげていくというようなキャリアのことを「ビジネスキャリア」、そして主に定年後に生涯かけてのキャリアを「ライフキャリア」と呼ばれていることが多いですが、人生100年時代、そして働き方改革時代においては、それらの意識はますます重要となってきました。

仕事は「志事」と書いたりして、志をもって働こうとよく言われます。

そして、働くとは「はたを楽にする」とも言われます。お金を稼ぐだけでなく、社会の役に立ち、少なくとも周りに迷惑をかけずにイキイキと生きることも高齢になると「はたらく」ことになります。

今や、定年後はもはや老後ではなく、第二第三の仕事人としての人生の始まりであり、それらは定年前から準備しておかなければ間に合わなくなってきました。

働き方の多様化によって、定年という概念すらもなくなりつつあり、これからの時代、定年前と定年後を分けて考えることはナンセンスにも思えるようになりました。

それらと連動して、キャリアも定年までビジネスキャリアと、定年後のライフキャリアに分けて考えることも時代に合わなくなってきています。

会社に所属するかどうか、起業するかどうかに関係なく、すべての人が、ビジネスキャリアとライフキャリアが統合された「ワークライフキャリア(WoLica)」を意識し、デザインすることが求められる時代になったと考えています。

そもそも、私たちすべての人は、社会的存在意義があります。社会的な役割を生涯かけて実践・全うすることが人生であり、それはその人の「ミッション」です。

企業で働く「ビジネスキャリア」は、それらのための糧であったり、途中段階なわけです。

社会的な役割は、仕事を通して全うすることとなりますが、ここでいう「仕事」は、日々、そして生涯かけてする仕事であり、それらを積み重ねていくことが、ビジネスキャリアを包含した「ワークライフキャリア」なのです。

ライフキャリアは、老後を考えることや、定年後の生涯学習を考えること、あるいはワークライフバランスを考えることと定義されている場合もありますが、私たちのいうワークライフキャリアは、それらとは違います。

ワークライフキャリアを考え、見据えることは、社会的な役割を全うするためであり、それらによって、毎日イキイキと生き、迷いのない人生を豊かに生きることができるようになります。

ワークライフキャリアは、社会人としてデビューした時点から、一生を終えるまで、人として何をめざし、社会の一員として何をなすのか、それらを見据えた人生のキャリアです。

ワークライフキャリアは、仕事と生活を分けず、仕事と生活を調和させ融合させた「ワークライフ インテグレーション」によって、充実させることができます。

初めて社会人として最初にする仕事から、転職、起業、セカンドキャリアなどを考える際にも、ワークライフキャリアビジョンを描いていれば、迷いなく、さまざまな選択や決断が容易になり、日々も人生も充実すると考えています。